概要レベルではあるが、Googleを支える基盤技術について、論文などの公開されている情報を咀嚼して分かりやすく説明していている。とくに大規模分散システムについての解説は興味深い。ま、当たり前だが、魔法を使っているわけではなく、既存のコンピュータサイエンスの成果がGoogleのシステムに特化した形で取り入れられているのがわかる。
とくに関心を惹いたのは、第5章「Googleの運用コスト」である。主にハードウェアや電力に着目して、インフラストラクチャ系のコスト対策を論じている。とてつもないスケールの大規模システムなので身近には感じられないが、巨大データセンタの話題には心躍るものがある。最近では、地球温暖化や原油高騰などで、よりエコなシステムが求められている。Googleだけでなく、最近のデータセンタの動向はどうのようになっているのか興味を持った。
全体を通して、図が多く解説も分かりやすい。また論文の参照先やコメントが充実しているのも、さらに学習を進めていくのに有用であろう。
Googleを支える技術 ?巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
- 作者: 西田圭介
- 出版社/メーカー: 技術評論社
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