退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

能登の花ヨメ

どこかの映画館で予告編が流れていて、それ以来、なんとなく気になっていた映画でしたが、ようやく新宿のK’s cinema で観てきました。昔、新宿昭和館があったところです。

この「能登の花ヨメ」は、ま、ストレートな「町興し映画」ともいうような地味な映画でした。能登空港から始まり、能登の自然、朝市、金沢の街並みなど、観光スポットの紹介も抜かりがありません。

ストーリーは、都会の女性が能登の婚約者の実家に行き、紆余曲折の末、姑や地元の人たちと心を通わせるという陳腐な話です。ただ、能登に嫁ぐのではなく、一時的に滞在するだけというのがポイントです。これが恒久的に能登で暮らすという設定であれば、テーマがいきなり重くなり、リアリティが失われたことでしょう。東京の人に僻地での生活は無理です。

劇中では、「キリコ祭り」という例大祭がひとつのヤマ場になっています。灯籠を担ぐということなので、「青森ねぶた」を想像しましたが、映し出されてシーンがあまり見栄えがしないので驚きました。いい意味で商業化されておらず朴訥した趣を今に残していると言えなくもありませんが、これでは担ぎ手がいないのも仕方ないかもしれませんね。

ラストでヒロインの花嫁衣裳が披露されます。ヒロインの田中美里ではやや薹が立ち過ぎているのではないかと懸念しましたが、白無垢がよく似合っていてたいへん綺麗でした。世間は晩婚化が進んでいることもあり、これも「アリ」だなと思いました。見どころのひとつです。

あと、おばあちゃんがレシピを残した「キノコ鍋」が、とても美味しそうで印象に残りました。通信販売とかないかなぁ。あれは一度食べてみたい。

能登の花ヨメ [DVD]

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