退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『エロチックな関係』(1978) / 洒落たハードボイルド風味の日活ロマンポルノ

新文芸坐の《追悼 内田裕也 スクリーン上のロックンロール》という追悼企画で、映画『エロチックな関係』(1978年、監督:長谷部安春)を鑑賞。レイモン・マルロー原作の「春の自殺者」を翻案した日活ロマンポルノ作品。R18+作品。

内田は、後年『エロティックな関係』(1992年)というタイトルで本作をリメイクして、宮沢りえビートたけしのキャスティングを実現している。当日は両作を一気に上映するナイスな二本立てだった。

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しがない私立探偵・桧垣(内田裕也)は、助手(加山麗子)とともに小さな事務所を営んでいる。ある日、建設社長黒川(田中浩)から愛人智恵子(牧ひとみ)の浮気調査を依頼されるが、殺人事件に巻き込まれ犯人に仕立てられる。濡れ衣を晴らすべく罠にはめた人物を追うが……。

低予算ながらハードボイルド風味の演出が冴えている一本。謎解きのサスペンスとしても楽しめる。職人監督の長谷部安春はこうしたプログラムピクチャーを撮ると上手い。

日活ロマンポルノなので仕方ないが、物語の流れをぶった切るように濡れ場が挿入されるのにはいささか閉口した。そのためか助手の性欲が強いという設定になっていて、そこはちょっと面白い。内田はなんとも頼りない探偵を好演しているが、これを引き出したのは監督の手腕であろう。

リメイクされた『エロティックな関係』(1992年)にくらべて、上映される機会の少ない作品だが、映画としてはこちらの方が断然面白い。

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