退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

タイム誌に見る「シンガポール建国の父」

シンガポール建国の父」として知られる、リー・クアンユー元首相(Lee Kuan Yew)が死去したのは今年3月でした。少し時間が経ちましたが、部屋の片隅にあったタイム誌の訃報記事を移動中に読んでみました。タイトルは、The Founding Father of Singaporeです。
Time Asia [US] April 6 2015 (単号)

若い頃のクアンユー氏が表紙です。おそらく60年代ぐらいの写真でしょうか。追悼記事は写真を含めて4ページなので、氏の業績に比べれば実質2ページ半ぐらいの短い記事です。記事では、現在のシンガポールの状況を概観したあと、クアンユー氏の生い立ちを紹介していきます。

なんと高校の最終試験でシンガポールとマレーのなかで最優等の成績をとったとのこと。正真正銘の秀才だったようです。その後、ケンブリッジ大に留学し、帰国後に政治活動に関与することになります。

英植民地からの独立、マレーシアからの分離独立、外資を導入しての奇跡的な経済発展などのシンガポールの輝かしい歴史は周知の通り。一人当たりのGDPでは日本を遥かに凌いでいまますが、知っていますか?

シンガポールの発展には負の側面もあります。民主政治を標榜しているものの、極めて制限的で実質的には独裁だという指摘です。記事では The Dark Sideとして紹介されています。

とくに「言論の自由」が制限されている例として、新聞の発行には政府の印刷免許(毎年更新)が必要であることが紹介されいます。あからさまな言論統制です。シンガポールは「豊かな北朝鮮」だと揶揄される所以です。

また面白いエピソードがありました。自分が秀才だったからなのか、政権を掌握した後も少人数のエリート集団を重用し、「よりよい遺伝子」の残すためエリートたちの結婚を勧めたとのこと。なんかすごい話です。ちょっとびっくりしました。

欧米の基準で見るとシンガポール民主化に問題がありますが、現時点では経済発展をもたらした政権与党を過半数の国民が支持しているようです。今後は生まれながらに豊かだった世代が社会に進出してくるわけですが、シンガポールがどのように変わるのか興味があります。

シンガポールには何度か行ったことがあります。どの国でも一度足を踏み入れると関心が湧いてくるものです。まあ住みたいのは思いませんでしたが……。

今日はこのあたりにしておきましょう。ごきげんよう。