先週、新文芸坐で映画『清須会議』(2013)を鑑賞した。三谷幸喜の原作・脚本・監督作品。昨年秋の封切りのときに観ていたが、二本立てだったので流れでもう一度観てみた。ちなみに目当ては併映の『武士の献立』。
今回は史実に沿った話なので、オチで勝負するわけににいかない。最後は秀吉が三法師を抱いて登場して会議の主導権を握ることは決まっているからだ。制限がきびしい作品であろう。
本作のよいところはキャスティングの妙であろう。不器用で愚直な柴田勝家を役所広司が、それに対抗する人たらしの柴田秀吉を大泉洋が演じていてキャラクターが立っている。どちらも、お市(鈴木京香)に惚れているという設定も面白い。
今回は三谷作品にしては舞台臭さがなく、映画らしく仕上がっている。衣装や美術も見事で映像としても見応えがある。そのうえ登場人物が丁々発止やりあうシーンに爽快感があり楽しい。これまでのような下卑たユーモアが劇中から姿を消し好ましい印象を受けた。
しかし、いささか冗長で上映時間が長く感じる。忍者のシーンは全部カットでいい。もう少しコンパクトにまとめると見やすいのではないか。
個人的には、秀吉が清州城で催す宴の席でお寧(中谷美紀)が踊るシーンが気に入っている。イメージが変わった。楽しい。