80年代に活躍したアイドル・松本伊代のベスト盤を聞いてみました。独特の声質が特徴的で一声聞いただけで彼女が歌っているのがすぐにわかります。
ただ彼女はとてもスレンダーで、当時の私の好みとは違っていたので、とくに推していたということはありませんでした。82年、TBSで「ピンキーパンチ大逆転」というドラマ仕立てのバラエティ番組が放送されていて、松本伊代と柏原よしえ(現:柏原芳恵)がW主演でした。やはり肉感的な柏原とのコントラストを狙っているのかと、当時思ったものです。
さて、このベスト盤には、デビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」から「信じかたを教えて」まで18曲が収録されています。その後もシングルをリリースしているので、いまではコンプリートでないのが残念。それでも楽曲に恵まれているので、いまでも聞き応えがあります。
とくにデビュー曲から「オトナじゃないの」までの4曲は筒美京平の作曲で素晴らしいし、ヒットした「時には愛を」(作詞・作曲:尾崎亜美)や、「月下美人」(作詞:松本隆、作曲:細野晴臣)といった楽曲も聞き逃せません。アイドルのベスト盤には、後半あまり聞いたことのない曲が収録されている場合が多いが、このアルバムは最後まで耳馴染みのある曲ばかりです。

- アーティスト:松本伊代
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1986/11/21
- メディア: CD
余談ですが、友人に誘われて松本伊代のライブを一度だけ見たことがあります。たしか学習院大学の学祭でした。会場は、後に取り壊されたピラミッド校舎の大講義室で、急な角度で演台を見下ろした記憶があります。そのライブのMCで「 私もこんな素敵な大学で勉強できたらいいなぁ」というようなリップ・サービスがありましたが、それに対して軽いブーイングが起こったことを今でも覚えています。「アイドルのくせに大学受験ナメんなよ」みたいなトーンでした。いまみたいに大学受験が全入時代ではなかったものの、ちょっと怖いなあと思ったものです。