新文芸坐の「高倉健特集」で「網走番外地 望郷篇」(1965年, 石井輝男)を観る。東映の人気シリーズの第3作。
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網走の名を冠しているが、舞台は長崎。望郷篇だから仕方ないが、やはり北海道が舞台でないと納得できない。
プロットは伝統的な任侠路線。網走での刑期を終えた健さんは、亡母の墓参りに故郷・長崎を訪れる。世話になった親分のもとに身を寄せるが、非道を尽くす暴力団と対立し、ついに単独で殴り込みに行く。
わかりやすい話だが、網走の仲間を無理やり絡ませるのは雑すぎる。そして黒人混血児をストーリーに絡めるあたりは、石井監督らしいかもが、混血児は肌の色が黒すぎないか。
最後に、健さんは杉浦直樹演じる殺し屋と対決するが、これは、ジャン・ギャバンの「望郷」へのオマージュか。結局、これがやりたかっただけなのかも。まあ、口笛で「七つの子」を吹く殺し屋という発想はすごい。
今回、「網走番外地」シリーズから2作品選ぶことになったのだろうが、第1作の「網走番外地」は別格として、2本目を選ぶは結構難しい。個人的には「網走番外地 大雪原の対決」を見たかったかも。