5月末で閉館した新宿ジョイシネマで「たそがれ清兵衛」(2002年、山田洋次)を観た。さよなら興業「さよならフェスティバル」のなかの一本。
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何度も観た映画だが、やはりすばらしい。公開当時、「寅さん」に代表される人情監督と思っていた山田洋次監督が、こうした真面目な時代劇を撮ったことに驚いた覚えがある。この映画の成功により、その後、藤沢周平原作が何本も映像化されたのも、この映画の功であり、藤沢周平ファンとしては記念すべき映画である。
下級武士が生活に窮しながらも懸命に生きていく様が淡々と描かれているのが新鮮。主人公は剣の達人ではあるが、決して英雄視されることはないのもよい。
殺陣はリアルな演出で、アクション俳優・真田広之の本領発揮といったところ。さらに宮沢りえの佇まいが素敵なのと、真田の末娘の子役がかわいいのも記憶に残る。
ただ、岸恵子のナレーションですべてを説明する演出には疑問が残るし、ナレーションの声質も受け容れがたい。それでも好きな映画のひとつである。