退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

チェーホフ全集(中央公論社版)


ちょっとした調べもので、チェーホフの短編を探すため図書館で「チェーホフ全集」にあたってみた。以前は「中央公論社版」と「ちくま文庫版」が定番であったが、新規に出版されたものがあるかもしれないと期待したが、残念ながら他には見あたらなかった。やはり文学全集というものは過去の遺物らしい。探していた短編は中央公論社版で見つかったが、この全集も絶版となっている様子だ。

図書館から借りてきたのは、再訂版1988年発行(初版1960年発行)という版で、図書ラベルの電話番号がまだ7桁なのも歴史を感じさせた。本の状態はかなり良好で、あまり読まれていない様子だったが、ちょうど探していた短編の部分に書き込みがあったのでちょっと驚いた。

この全集は装幀がすばらしい。黒の表紙に赤の背が洒落ていて、チェーホフの署名が赤で入っている。サイズが小ぶりなのもいい。こうした本が絶版になっているは惜しいが、図書館に所蔵があるのはありがたいことだ。

チェーホフ全集 (4)

チェーホフ全集 (4)