朝ドラ「ちむどんどん」は、2022年度前期放送のNHK「連続テレビ小説」第106作。羽原大介作。ヒロインは黒島結菜。沖縄の本土復帰50年を記念し、沖縄本島北部のやんばるを舞台とした家族ドラマ。
最近の朝ドラのなかではサイアクとネットで炎上を繰り返し、連日「反省会」がネット上で盛り上がる始末。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が画期的だったことを思うと、比べるのも酷かとも思うが、まあたしなにひどかった。
もうネタには事欠かないほどに欠点があげつらわれている。あえてここで付け加えることもないが、テーマが不明確だということに尽きる。とくにヒロインが銀座の一流のイタリアンレストランで修行していたのに、なぜか独立後は沖縄料理屋を開店していたり、何をしたいのかわからない。
それでも杉並で沖縄料理屋を開店するのは商機もあるかなと思ったが、やんばるの実家を改造して料理屋を開店するに至っては誰がターゲットなのか、さっぱりわからない。
いちばん腑に落ちなかったのは歌子(上白石萌歌)の病気の件。結局、何の病気かは明らかにされず仕舞い。最終週では突然倒れて重篤な状態で入院する。最後の最後にどうするのだろうと思ったが、みんなの思いが通じて無事に回復する始末。その後、数十年後(202X年)にはレコードをたくさん出す民謡歌手となったというナレーションが流れて、「えー」となった。最初からおかしいと思ったことだが、病気設定はどこに行ったのか。
いっそのこと最終週で歌子が病死して、あの世で父親・賢三(大森南朋)と再会し、沖縄の葬式のシーンで幕というぶっ飛んだ展開を見せてほしかった。
歌子の病気はほんの一例にすぎない。すべてがテキトーでご都合主義で見ているこちらがウンザリしてしまうことばかりだった。途中から早く終わらないかなと思ってしまうほど。
どうして天下の朝ドラで、このようなゴミのような脚本が企画を通って映像化されてしまったのか、その顛末を知りたい。裏事情をまとめて一冊の本にまとめたら売れるではないか。是非読んでみたいものだ。