退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「うしろ髪ひかれ隊」再発見

今年7月の参議院選挙でおニャン子クラブのメンバーだった生稲晃子が当選したことは記憶に新しい。それ以来、生稲晃子が参加していたユニット「うしろ髪ひかれ隊」の楽曲をヘビーローテションしている。中毒性高し。

当時プライベートが忙しかったこともあり、それほど注目していなかったユニットだが、いまになって聞いてみるとなかなかいい。

このうしろ髪ひかれ隊は、うしろゆびさされ組高井麻巳子おニャン子卒業により解散したことを受けて、後継ユニットとして1987年4月に結成された。ユニット名からもそれが伺える。メンバーは以下の3人。

デビュー曲は、テレビアニメ『ハイスクール!奇面組』の主題歌「時の河を越えて」(作詞:秋元康、作曲:後藤次利)。まさかのオリコン1位を記録している。3人組の女性ユニットが1位を取ったのはキャンディーズ以来だろうか。

うしろ髪ひかれ隊時の河を越えてハイスクール奇面組工藤静香 歌手 女性

ジャケットからわかるように、デビュー時のセンターは生稲だったが、2曲目「あなたを知りたい」以降は歌唱力や人気を考えて工藤がセンターになっている。CDを聞いているとわかりにくいが、残っている生歌の動画を見ていると工藤の歌唱力や存在感が群を抜ているのがわかる。ソロで売れたのも納得である。また当時は地味だと思っていた、マッキーこと斉藤満喜子がなかなかいい。歳を取ると女性の好みも変わるようだ。


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うしろ髪ひかれ隊のパフォーマンスには、工藤が他の2人のハズれた音程の歌を救う場面がよくある。私などは宝塚歌劇のパレードで「これはちょっと……」と思う歌のあとで、北翔海莉がバツグンの歌唱力でカバーするシーンを想い出した。


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うしろ髪ひかれ隊の結成後、しばらくしておニャン子クラブが解散している。おニャン子クラブ末期のユニットであり、ファイナルコンサートの大舞台にユニットとして出演していて貴重な映像を残している。

ユニットは、工藤がソロ活動で人気が出たこともあり、1988年4月に5枚目のシングル「ご期待下さい!」を最後に活動を休止している。デビューから1年ほどの活動期間だった。正式に解散したわけではないので、いつか3人の並びを見てみたいが、斎藤が芸能活動から距離を置いていることに加えて、生稲が国会議員になったことにより叶わぬ夢になった。

おニャン子クラブのなかから、この3人を選んでユニットを結成したのは慧眼である。さすが秋元康というべきか。歌ウマを集めても面白くないので、この3人はいいバランスだった。なんとなく80年代後半の日本社会の世相を表したユニットだったとも思うが、さすがにそれは大げさすぎるだろうか。

もっと「うしろ髪ひかれ隊」の楽曲を聞きたくてベストアルバム「ザ・プレミアムベスト うしろ髪ひかれ隊」(2枚組)を聞いてみた。2枚組ならシングルとアルバムの全曲が収録されているかと思いきや、2枚目は全部カラオケだった。なんだこれは! カラオケマニアがいるのだろうか(汗)。