少し前に国会に提出された法案で条文ミスが相次いでいることが話題になった。菅政権があまりにアレなので、ついに官僚たちのサボタージュが始まったかと思ってしまった。
そうしたなか、ちょっとおもしろいニュースがあった。農水省で事実上の「一太郎」禁止令が出された、という報である。農水省が、省内で「ワード使用を原則化」する通知を出したのだという。
このニュースの冒頭では、ソフトの互換性が「相次ぐ法案の条文ミスの理由」となっていると言及している。
ただ、ソフトの互換性の問題から相次ぐ法案の条文ミスの理由とされたり、民間企業とのやり取りで不便が生じ、政府内で「一太郎」の使用を問題視する声が上がっている。
これに応じて以下のような通知が出されたという。
通知では、「対外的にやむを得ない場合を除き、『ワード』使用を徹底」するよう書かれ、事実上の「一太郎」使用禁止令となっている。
いやいや、法案の条文ミスは「一太郎」のせいじゃないだろ。こう誰しも思うところだが、このニュースには一太郎と条文ミスの因果関係はまったく書かれていない。
これは野良ブロガーの記事ではなく、れっきとした報道機関による「FNNプライムオンライン」の記事である。まったく首を傾げたくなる内容である。
このあと農水省から、条文ミスのために「一太郎」を禁止するわけではない、という当たり前のコメントが出ていた。FNNも農水省のどちらとも「なんだかなぁ~」という感じである。イケてない。
そして最後の一文でまたずっこける。
ただ、今後も法案作成業務の一部では、「一太郎」の使用を続けるという。
「は?」という感想しか浮かばない。結局、使い続けるんかーい、と。
個人的には、法案作成業務において「一太郎」を使うメリットについて取材してほしい。「ワード」に対して、どのようなアドバンテージがあるのか。読者が知りたいのは、その点だろう。