退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『バーレスク』(2010) / 高級ラウンジのショーを楽しむミュージカル映画

先日、某オフシアターで映画『バーレスク』(2010年、監督:スティーヴ・アンティン)を鑑賞。クリスティーナ・アギレラ主演のミュージカル映画

スターになることを夢見て、アイオワからロスアンゼルスに出てきたアリ(クリスティーナ・アギレラ)は、テス(シェール)が経営する高級ラウンジ「バーレスク」でのショーに魅入される。バーテンダーのジャック(キャム・ギガンデット)に頼み込んでウェイトレスと働くことになる。ある日、問題ばかり起こすニッキ(クリスティン・ベル)の代わりに、アリはソロでステージに立つが、ニッキの妨害で音響が止まる。その瞬間、アリの歌声がステージに響いた……。


Burlesque Official Trailer #1 - (2010) HD

クリスティーナ・アギレラとシェールのパフォーマンスに尽きるシンプルな映画。だがそれが奏功している。アリのサクセスストーリーにフォーカスしたベタな脚本、さらにショーのシーンにおける陳腐とも思える撮影・編集は力強い。とくにステージだけでなく、ラウンジ全体の広がりを感じられる演出が素晴らしい。

一方、ストーリーは陳腐。アリがジャックとベッドインしているところこに、元カノがニューヨークから帰ってきて、「お、いよいよ来たか」と思ったが、あっさり修羅場も終わり、ジャックはなぜか許されてアリとの仲も修復されている。

さらにテスと対立したニッキも、いつのまに「バーレスクで働く者は家族だ」ということでいつのまにバーレスクに復帰。大団円。ラストはかなり無理矢理まとめたなという印象がある。

そうした瑕疵があるものの圧倒的なショーのパフォーマンスが上回る。今回、映画館ではなかったがまずまずの音響で鑑賞できて満足。座席がショボいのが残念だったが……。

それにしてもいまの東京に「バーレスク」のようなラウンジというかクラブはあるのだろうか。客単価はいくらぐらいなのだろう。かつて銀座や歌舞伎町にあったキャバレーと雰囲気が似ているようにも思ったが、そうしたキャバレー文化はもうなくなってしまった。

そんなことを思いながら劇場をあとにした。