新文芸坐の《ワンダーランドの映画作家 大林宣彦映画祭2017》で映画『姉妹坂』(1985年)を鑑賞。京都を舞台にした四姉妹の物語。原作は大山和栄の長編コミック。当時、現代版「細雪」と期待して見てガッカリしたことを思い出した。大林監督らしからぬ作品。
四姉妹は、彩(紺野美沙子)、茜(浅野温子)、杏(沢口靖子)、藍(富田靖子)という豪華なキャストを揃えたが、どうしてこうなったという凡作。まあ姉妹といってもまったく似ていないが、4人とも血がつながっていないという謎の設定だから問題ない。
映画がイマイチなのは、原作の使えそうなところをつまんでいくダイジェスト風の映画なのも一因だろうか。公開時の同時上映は、斉藤由貴主演の『雪の断章 -情熱-』だったので、東宝の期待するところは、いわゆるアイドル映画だったのだろう。まあポスターの女優たちの並びは豪華なので、それだけで集客できたのかもしれない。
東宝的には沢口靖子をかわいく撮ってくれればいいということだから、ラブシーンで当然脱ぐわけもなく浴衣姿で相手役の 宮川一朗太と向き合ってオワリ。せめて肩ぐらい見せてくれればいいものをカマトトぶりやがって!
一方、浅野温子は、尾美としのりとのラブシーンでは脱いでいるのは立派。しかしバストはロングヘアーでしっかり隠しているというテイタラク。さらにラブシーンのカメラワークもひどいが、まあアイドル映画の枠だから仕方ないか。
見どころをさがすのは難しいが、和服姿の紺野美沙子をの美しさを堪能できる点は加点したい。映画ではなぜか年上の医者(竹脇無我)と結婚するが、いくらなんでも歳が離れているだろうに……。
お宝映像としては、富田靖子が自らの出自の秘密を知り自暴自棄になってディスコで狂ったように踊るシーンが笑える。永久保存版。このシーンを映画館で見れただけでも満足することにしたい。
ちなみにこの映画はDVD化されていない。監督がさすがにマズいと思ったのだろうか。