退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ドナルド・トランプ氏の指名受諾演説を聞いてみた

先週、ドナルド・トランプ氏が共和党全国大会で大統領候補を指名されました。これまでの各地の党大会の結果から指名は必然でしたが、当初は泡沫候補とみなされていたトランプ氏が大統領候補にまで上り詰めたことはあらためて世界を驚かせました。

アメリカの政治の話なので日本人としては何もできませんが、ひょっとしたら百年に一度ぐらいの歴史の大きな転換点に立っているかもしれません。「アメリカ帝国」の崩壊が近いというと言い過ぎでしょうか。

週末、オハイオ州で開催された共和党の全国大会の最終日に行われたトランプ氏の受諾演説をじっくり聞いてみました。少し長いですが簡単な英語なので英語の勉強にもなるでしょうし、何より共和党大会のナマの雰囲気を感じる機会は機会です。


FULL SPEECH: Donald Trump - Republican National Convention - THE NEXT PRESIDENT OF THE USA?

スピーチ全体のトランスクリプトもメディアにより公開されていますので合わせて参照してください。

www.politico.com

これまで突飛とも思える発言を繰り返してきたトランプ氏ですが、この受諾演説でも勢いは衰えません。さすがに慎重に言葉を選んでいるようですが……。

いくつかスピーチから拾ってみます。注意すべきは、これはもはやトランプ氏個人の意見ではなく、共和党の公約であることです。

  1. 移民政策…国境に「偉大な壁」をつくり違法移民をストップします - We are going to build a great border wall to stop illegal immigration, to stop the gangs and the violence, and to stop the drugs from pouring into our communities.
  2. TPP…国民に害のある貿易協定(TTP)には絶対に署名しません - I pledge to never sign any trade agreement that hurts our workers, or that diminishes our freedom and independence.
  3. 外交安全保障…「イスラム国」の野蛮人を打ち負かします - To make life safe in America, we must also address the growing threats we face from outside America: we are going to defeat the barbarians of ISIS.
  4. 米軍再建…私たちが大変なコストをかけて守っている国々は公正な費用負担を求められるでしょう - We will completely rebuild our depleted military, and the countries that we protect, at a massive loss, will be asked to pay their fair share.


いつもの調子ですが、日本に大きな影響がある公約がいくつもあります。とくに在日米軍の費用負担の増大は大きな持論を呼ぶでしょう。翁長沖縄県知事と会談してほしいものです。

もちろん、まだトランプ氏がアメリカ大統領になると決まったわけではありませんが、彼が共和党の大統領候補になっただけでも一大事と言えるでしょう。ついにアメリカの大事な何かが壊れたかという印象を受けます。

さて余談ですが、この受諾演説の前にに娘さんのイヴァンカ・トランプさんが短いスピーチをして父を演壇に招く役目を果たしていました。美人ですね。


Full speech: Ivanka Trump addresses the 2016 RNC

トランプ氏は財を成し億万長者として人生の勝ち組であることは疑いはありませんが、このような美しい娘さんがいるだけで、大半の男性たちから羨望の声が上がるのではないでしょうか。男の夢を体現していると言っても過言ではない。トランプ氏のいろいろ疑義がありますが、こと娘さんについては「いいなぁ」「負けた」と思ってしまいます。

Donald Trump Signs The Pledge