退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ワイルド・ギース』(1978) / 傭兵物戦争映画のマスターピース

新文芸坐で映画『ワイルド・ギース』(1978年、監督:アンドリュー・V・マクラグレン)を鑑賞する。〈魅惑のシネマ・クラシックVol.15〉の一本。併映は『合衆国最後の日』だった。ナイスな2本立。

ワイルド・ギース(The Wild Geese)とは、元来、16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパ大陸で活動したアイルランド人傭兵のことで、そこから名をとった傭兵部隊が1960年代にアフリカで活動した。ちなみにgeeseは、goose(鳥のガン)の複数形。

傭兵隊長のフォークナー大佐(リチャード・バートン)は、銅鉱山の利権を狙うロンドンの富豪から、軟禁されているアフリカ某国の元大統領リンバニの救出を依頼される。フォークナーは仲間を募り傭兵部隊を組織し、パラシュート降下で敵地に乗り込む。見事リンバニを助け出し脱出するばかりになるが、途中、雇い主の富豪の裏切りにあい敵地に孤立する。部隊は多大の犠牲を出しながらも辛くも脱出に成功。ロンドンに立ち戻ったフォークナーは、傭兵たちを裏切った富豪を射殺し、今回のミッションで犠牲になった参謀役の孤児を寄宿学校に訪ねる。

傭兵部隊が中隊規模で乗り込んでいき、見せ場をつくりながらバタバタを死んでいくのが見どころ。主演のリチャード・バートンの演技もすばらしい。

終盤、フォークナーが富豪から50万ドル奪うシーンがあるが、金庫から取り出した札束が少ないなと思ったらなんと1000ドル札とのこと。一度、1000ドル札を見てみたいものだ。

それにしても、アフリカは外国に地下資源を搾取され、いつも黒人たちが互いに争うという構図は今日でもかわらない。暗黒大陸の汚名を晴らす日はいつか来るのだろうか。


The Wild Geese Trailer (1978) - YouTube