退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『鬼火』(1996)

銀座シネパトスの「原田芳雄映画祭」で「鬼火」(1996年、望月六郎)を観る。特集上映のラストを飾るにふさわしい原田芳雄の魅力が十分に活かされている良作。

鬼火 [DVD]

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原田芳雄が演じる主人公は、“火の玉”と恐れられるヒットマン。過去2度の殺人事件を犯し服役していたが刑期を終え、堅気として生きていくこと誓う。しかし生きることに不器用な彼は宿命に翻弄されていく。そんな中年ヤクザを演じる原田がすばらしい。

ヒロインは片岡礼子様。アダルトビデオを知り尽くした望月六郎監督により良質のエロティシズムが描かれている。この時期に美しい裸体をフィルムに残したことはファンとして僥倖の至り。