退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

安藤美姫『空に向かって』

空に向かって

空に向かって

この本はバンクーバー五輪出場に合わせて出版されたもので、すでに結果は出ているが五輪への盛り上がりを感じさせる内容だ。正直いうとアイドル本みたいと思ったが、それなりに面白かった。トップアスリートの非日常性、つまり知らない世界を垣間見れたせいかもしれない。

まあ本人が書いているのではなく、インタビューに基づいてライターが書いているだろうけど、文章力不足というか物足りない思いは残る。とりわけトリノ五輪後に、無遠慮なメディアの取材などにより「人間不信」になるあたりは、もっと生々しく描いてほしかった。

また新しいコーチであるニコライとの強い信頼関係が伺われるところは、野次馬根性の血が騒ぐ。もうこれは惚気ですな。

あと写真が豊富に載っているのはうれしい。とくに幼少期のかわいらしい写真は貴重。女性が持つ最強のコンテンツといえるかも。