シネマヴェーラ渋谷で「銭ゲバ」(1970年、和田嘉訓)を見る。「劇画≒映画(げきがニアイコールえいが)」という劇画原作の映画を集めた企画のなかの一本。本作は、ジョージ秋山の同名コミックの映画化。タイトルがいい。
「銭ゲバ」は、今年、松山ケンイチ主演でテレビドラマ化され好評を博したらしいが未見。この映画は強いインパクトがあり、たまに無性に見たくなる映画のひとつである。この春の「緑魔子伝説」では取り上げられずに、「なぜだあ〜」と心の中で叫んだものだが、ようやく見ることができてうれしい。
まず蒲郡風太郎を演じる若き日の唐十郎が素晴らしいことを強調しておきたい。本人はキャリアから消したいと思っているかもしれないが、これ以上は望めないキャスティングといえる。また緑魔子の美しさ、岸田森の死にっぷり、加藤武の下卑た親父ぶりなど見どころが多数あり楽しい。
信欣三が演じる元刑事はどうなったのかを含め、風太郎の顛末が気になるわけだが、細かいことを気にせずに楽しむのがいいズラ!
この作品は、やっぱりDVDは未発売か…。たくさんの人に見てほしい映画なのだが残念だ。