シネマヴェーラ渋谷で「0課の女 赤い手錠」(1974年、野田幸男)を見る。「劇画≒映画(げきがニアイコールえいが)」という劇画原作の映画を集めた企画の一本で、本作は、篠原とおるのコミックの映画化。
70年代東宝バイオレンス映画の傑作。もっと評価されてもいいと思うのだが、例によってDVD未発売なのはなぜだろう。拷問シーンがコードに抵触するからだろうか。
ストーリーで引っ張るタイプに映画ではないが、展開は相当にはじけていて観客を飽きさせない。まあ、結局は強烈なエログロがウリなのだが、個性派俳優が大挙登場するので、それだけでシアワセになれることはまちがいない。
郷えい治、荒木一郎、室田日出男が共演しているだけでもすごいが、なんと大物政治家を丹波哲郎が演じていて作品に重厚さを与えている。そして三原葉子が大食いを披露しているのも往年のファンにうれしいかも。そうそう、一応、主演は杉本美樹だが、共演者たちの濃さに比べるとやや地味か。まあヌードは美しいですが。
後年、武田久美子や飯島直子らがこの路線の「ゼロウーマン」をVシネマで出しているが、この映画に比べればおとなしい。エログロに耐性のある人は、この作品を是非見てほしい。DVD未発売ですが……。エンディング主題歌「0のバラード 女の爪あと」で雰囲気だけでもどうぞ。
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