退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『機動戦士ガンダム 女たちの一年戦争』

ファーストガンダム』に登場する女性キャラクタにスポットを当て、作品の核心に迫ろうとする試みの本である。

機動戦士ガンダム 女たちの一年戦争

機動戦士ガンダム 女たちの一年戦争

この本の眼目は、戸田恵子鵜飼るみ子白石冬美、潘恵子、中谷ゆみ小山茉美といった女性キャラクタを演じた声優たちへのインタビューであろう。小山のそれは、やや簡単なものになっているが、他は大変充実した内容で、各インタビューを重ね合わせて読んでいくと往時の様子が浮かびあがってくる。また、この本の製作時には、既に井上瑤は物故しており、各人が彼女との思い出を語るという構成になっている。ただし井上の生前のインタビューも再録されていて貴重である。この当時の声優はアイドル化しておらず、各人には凛としたプロ意識を感じる。

女性キャラクタというよりも、声優たちにフォーカスがあたった本になっているが、『ファーストガンダム』製作現場に興味ある方は手にとってほしい。最初の放送が1979年4月なので、およそ30年前ということになる。あらためて時の流れを感じる。

余談になるが、昨年、劇場版のオリジナル音声でDVDが発売されたのはうれしいのだが、いかんせん高い。廉価版を出してファンサービスしてほしい。もう十分儲かったでしょうに…。