外山滋比古『ホレーショーの哲学』を拾い読みした。
1903年藤村操が日光で投身自殺した際に残した「人生不可解」の告白のなかにある、「ホレーショの哲学」という一句をとりあげたエッセイを読み直したくて、この本を取り寄せてみた。「ホレーショの哲学」をいうのはシェークスピアの『ハムレット』の一節からとったもので、今日では”your”の解釈に言及して、一字一句おろそかにできないという教訓として語られることが多いようだ。
"There are more things in heaven and earth, Horatio. Than are dreamt of in your philosophy."
これは「哲学などが…」ぐらいの意味で、"your"はホレーショーを指すとするのは誤読とのこと。"your"があなたではないという例である。
この本は上記の「ホレーショーの哲学」(5pほどの分量)の他にも、数多くのエッセイが収録されており、いくつか拾い読みしてみたが、なかなか面白い。