退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

画業50年“突破”記念 永井GO展 @上野の森美術館

上野の森美術館で開催中の永井豪の展覧会「画業50年“突破”記念 永井GO展」に行ってきました。以前から楽しみにしていた展覧会です。入場前に美術館壁面の大きなポスターを見てテンションが上がります。やはり数多い作品のなかでは「マジンガーZ」と「デビルマン」が双璧のようです。

f:id:goldensnail:20190923053153j:plain

原画展

数多くの作品を世に問うてきた永井豪の作品は膨大な数に及びます。その作品の原画やイラストは以下の4つのコーナーに分けて展示されていました。よくまとまっています。

  1. 鬼と悪魔の黙示録(「デビルマン」「凄ノ王」「手呑童子」など)
  2. ヒロイン・ヒロイックサーガ(「キューティーハニー」「バイオレンスジャック」など)
  3. 笑劇奇譚(「けっこう仮面」「キッカイくん」などのギャグマンガ
  4. 魔神伝説(「マジンガーZ」「グランダイザー」などロボットヒーロー物)

全体としては展示物は十分な量があり満足しました。しかしファンはそれぞれ集中的に漫画を読んでいた時期もちがうし、好みも違い意中の作品もちがいます。

永井豪は活動期間も長くリリースした作品数も膨大なので仕方なののですが、それぞれの観客は「もっとこの作品を見たかった」という気持ちは残るかもしれません。個人的には「バイオレンスジャック」「けっこう仮面」などをもっと見たかったです。

デビルマンの世界

二次元に収まらないのが「永井豪の世界」でしょう。今回はデビルマンのフィギュアなど三次元造形を紹介するコーナーがあり、原画やイラストをたくさん見てきた後に目先が変わってよかったです。とくにデビルマンの大きな像と並んで写真を撮るとインスタ映えるかもしれませんよ。

f:id:goldensnail:20190923053129j:plain

f:id:goldensnail:20190923053132j:plainf:id:goldensnail:20190923053157j:plain
f:id:goldensnail:20190923053146j:plainf:id:goldensnail:20190923053204j:plainf:id:goldensnail:20190923053138j:plain

マジンガー博物館

マジンガー博物館」というコーナーもありました。人と同じぐらいの大きさの3体のロボットヒーローが迎えてくれます。当時、子どもたちの垂涎の的だった「超合金」の玩具の展示が楽しかったですね。私は買ってもらえませんでしたが……。懐かしかったです。

f:id:goldensnail:20190923053144j:plain
f:id:goldensnail:20190923053140j:plain

おまけ

永井豪先生の作業デスクを忠実に再現したコーナーもありました。キレイに片付いていて、仕事場の臨場感はありませんが、ここで作品が産み出されているのかと思うと感無量です。

f:id:goldensnail:20190923053135j:plain

亡くなった漫画家の仕事の再現では、さすがに時代を感じることが多いですが、さすがに現役なのでモダンな仕事場でした。

あと順路の最後に永井豪原作のテレビアニメのOP/EDの映像がリピート再生されていました。おっさんたちが集まってディスプレイの前でじっと見入っている様子がちょっとおもしろかったです。

観客は青年・中年男性が中心だろうと予想していました。まあ予想通りだったのなのですが、中年女性が意外に多いのは予想外でした。

感想

もっとこの作品を見たかったという気持ちは残りましたが、全般的には永井豪ワールドを堪能できて満足しました。私はなんとなく上野が苦手ですが、足を運んでよかったです。

ラストに来場者限定で電子書籍を1冊無料(期間限定)で読めるというプレゼントがありました。やはりちょっと面白い企画です。他の原画展でも取り入れてほしいものです。

激マン! 1 (ニチブンコミックス)

最後に運営面で注文があります。開館時間が午後5時までというのには正直閉口しました。予定を調整してギリギリセーフで来場できましたが、なんとかしてほしいです。メインターゲットは中年男性なのですから仕事帰りに立ち寄れるように、開場は午後からで構わないので夜は午後8時ぐらいまで開いていてほしいものです。

f:id:goldensnail:20190923053150j:plain