退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『篤姫』を見終わった

2週間ぐらい前から、録画してあったNHK大河ドラマ篤姫』をまとめて観ていたが、ようやく見終わった。このドラマは最近にない高視聴率を記録したというが、なかなか面白く見ることができた。

幕末大河ということで、幕末から明治維新に向けての歴史の動向が、もっと前面に打ち出されるかと期待したが、女性たちに焦点をあてた人物本位のホームドラマといったところか。桜田門外の変禁門の変、長州征伐、鳥羽・伏見の戦いといった出来事が存外あっさりと描かれていて、やや物足りない。

篤姫は、前半と後半で大きく変わる。薩摩での娘時代は、女だてらに政治を論じたり、下級武士たちと交流と持ったり、進取性が感じられた。その後、零落する徳川家にあっては、古き因習の家に縛られて、その存続に奔走する。家定死去後の「落飾」のあたりが転換点のようにみうけた。徳川家など滅亡しても、新しき日本に向かって邁進しろとも思ったが…。

世間では、主演の宮粼あおいの演技の評判が高い。なるほどすばらしい。ただ最晩年は老けメークで登場するものの、もともと童顔なので後半はややつらいか。落飾してからもロリ顔だし…。他の出演者では、老女・滝山役の稲森いずみが良かった。後半は稲森を目当てに見ていたようなものだ。一度、あの毅然とした声で叱咤されたいものだ。

後半以降、勝海舟役の北大路欣也が登場するが、いくらなんでも老けていないか。1823年生まれの勝が咸臨丸で渡米して帰国したのは1860年で、40歳前なのに、収録時の北大路は65歳近くのはずだ。まあ大河にはよくあることだが。

連続ドラマはまとめて見るのがいい。そのとき、いつもはオープニングをスキップするのだが、今回はついつい見てしまった。タイトルバックが美しいし、テーマ音楽のホルンもよかった。