新一万円札の顔ともなる実業家・渋沢栄一の生涯を描く、今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」。脚本は大森美香、主演は吉沢亮。
女性陣が活躍するドラマではないが、第35話「栄一、もてなす」はちょっとしたオレ的見どころがあった。なんと私の贔屓だった元宝塚歌劇団月組トップ娘役・愛希れいかが出演していたからだ。
アメリカ前大統領グラントの来日が決まり、栄一(吉沢亮)たちが民間を代表して接待に奔走する様子が描かれた。なにごとも婦人同伴という西洋流を取り入れようと、栄一の妻・千代(橋本愛)や、従兄・喜作の妻・よし(成海璃子)に助力を請う。さらに大隈重信の妻・綾子(朝倉あき)や、井上馨の妻・武子(愛希れいか)たち政財界の婦人も加わる。
ちゃぴの役は、井上馨婦人である武子。井上に帯同して2年間ほどヨーロッパで過ごした武子が、婦人たちに西洋式マナーを教えるというストーリーだった。
発声がだいぶ変わったかなと思いながら見ていたが、相変わらず顔は小さい。舞踏会では得意のダンスを活かしたもっと踊りまくってほしかったが、なかなか扱いがよかった。今後は舞台だけでなく、映像系の作品も見てみたいものだ。
さて今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」だが、維新までに尺を取りすぎてバランスが悪い。幕末大好きの人が多いので仕方ないのだろうが、渋谷栄一の真骨頂は実業家としての顔だろう。もう少し明治時代から大正時代にかけてを丁寧に描いたほしかった。
ドラマは年内で終了というから、あまり話数が残ってないのは残念。晩年、大東亜戦争へ飲み込まれていく日本のなかで、どのように行動するのかいう点にも関心があるが、あまり期待できそうにない。