帯には「忙しい人のための超高速スキル獲得術」とある。やりたいことは山ほどあるが時間がない、という人に向けて、その分野のプロフェッショナルを目指すわけではなく、自分が楽しめる程度までのスキルを短時間で身に付ける方法を紹介している。筆者によれば20時間もあれば十分らしい。
- 作者: ジョシュ・カウフマン,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/09/20
- メディア: 単行本
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第3章までで、20時間でスキルを身につける「超高速スキル獲得法」を解説している。カバーには、「超高速スキル獲得法とは習得したいスキルをできるだけ小さなパーツに分解し、そのうち特に重要なものを見極め、まずそれを意識的に練習するというプロセスである」とある。10個のルールを挙げて、効率的にスキルを獲得する紹介しているので、まずここまで読もう。
これに続く6章で筆者が挑戦した「ヨガ」「プログラミング」「タッチタイピング」「囲碁」「ウクレレ」「ウインドサーフィン」といったプロジェクトについて、体験をもとに習得プロセスを解説している。それらのプロジェクトにある程度の経験がある読者は、「超高速スキル獲得法」がどのようなものか、よりいっそうわかるだろう。ここは興味のある部分だけ読めばよさそうだ。
まず「タッチタイピング」の章を読んでみた。広く普及しているQWERTY配列というキー配列ではなく、Colemak配列の習得に挑戦している。これはMac OS Xにも標準で備わっているキー配列らしい。キー入力を高速で行うことは作業効率を大幅に改善するだろうから、意義ある挑戦だろう。しかし、ここでの話題は英文入力に特化しているので、日本語入力にはあまり参考にならない。日本語入力を効率化する方法は日本でもっと研究されてもいいだろう。
次は多少経験のある「囲碁」の章を読む。筆者は元々ボードゲームに関心があったこともあり筋がよさそうだ。20時間経過して、18〜20級程度になったと自己診断している。悪くない。しかし残念ながら、さらに上級者を目指す気持ちはないようだ。初段が見えてくると、また違った世界が見えてくるというが……。
最後に、興味のあった「ウクレレ」の章を読んでみた。筆者はトランペットの経験があるらしい。入門者用のウクレレを揃えた後、何かに魅せられたのかいきなり数千ドルもするウクレレを買ってしまう。形から入るという姿勢が微笑ましい。イベントでウクレレで弾き語りをするまでの経験が綴られているが、どの程度上達したのかは誌面からは不明。動画カモン!
どの分野でもある程度スキルがあると、ずっと楽しめるという場合は多い。人生は短い。いまやらずに悔いを残さないように、いろいろ挑戦してみよう。そんなことを思った。