少し前になるが、シネ・リーブル池袋で「東京島」(2010年、篠崎誠)を観た。桐野夏生の同名小説の映画化。
漂着した無人島で男20数人に女が一人という話。アラフォーの女をめぐって壮絶な性愛劇が展開するかと思いきや期待はずれか。まあ木村多江が主演ということで、そうした展開になるはずもないが……。そういう映画なら杉本彩あたりがキャスティングされてるはず。
それにしても無人島の生活に対する絶望感、狂気、悲壮感が、まったく感じられないのは残念。リアリティに欠ける。火を起こしたり、小屋を作ったり、魚を採ったりするようなサバイバル術のディテールがあってもよかったかもしれない。
後半になると、次第にストーリーが破綻してくる。それにして文明社会に帰還しても、無人島に救助に来ないのはなぜなのだろう。ナゾが残る。
ロケ地は普天間問題で話題になった徳之島も含まれているらしいが、風景をはじめとする映像がすばらしい。これは劇場のスクリーンで鑑賞する価値がある。