退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

Jesus Camp

録画してあったビデオから、TOKYO MX「松嶋×町山未公開映画を観るTV」で放送されたドキュメンタリ映画「Jesus Camp」(2006)を観る。

Jesus Camp [DVD] [Import]

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アメリカ中西部から南東部にかけての一帯をバイブル・ベルトといい、福音派プロテスタント(キリスト教原理主義)が熱心に信仰されている。日本人が訪れるのは西海岸や東海岸が多いので、この地域は知られざる米国と言えるだろう。

昨年の米大統領選挙に際して何冊か米国の政治状況に関する本を読んで、そうした一帯が政治的勢力としても無視できないことは知っていたが、あらためて福音派に実態を映像で見るとすごいなと思った。

DVDのジャケットにもあるが、子どもたちを洗脳するように宗教を吹き込んでいくキャンプの様子は怖い。また同時にこうした勢力に支持されたブッシュ政権がイラク戦争を引き起こし、さらに世界経済を破綻させたことを考えると、米国の国内問題に留まらない由々しき問題だと感じた。

州によっては、進化論を教えることを禁じられていたり、地動説もまともに教えられていない実態には驚くが、一方で米国が科学技術の分野で世界に君臨している事実から、米国社会がいかに多様であるかがわかる。米国の知られていない一面を垣間見ることができる貴重な一本。