退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『シンガポール・スリング』(1993)

銀座シネパトスの「原田芳雄映画祭」で「シンガポール・スリング」(1993年、若松孝二)を観る。DVDが発売されていないので一度観てみようと思い出かける。

思いっきりB級テイストのデタラメな映画でびっくり(汗)。Vシネマかと…。これが本当に若松孝二監督作品なのだろうか。ストーリーはこんな感じ。

新婚旅行でオーストラリアを訪れたカップルが、立ち寄ったガソリンスタンドで「ある男」に向けて不用意にシャッターを切る。ホテルに戻った二人は刑事の訪問を受ける。コカイン所持の容疑を受けた夫(加藤雅也)が誤って刑事を殺害してしまい、終身刑の判決をうけて収監される。その後は、刑務所内でいじめを受けたりという囚人モノの展開。そしてなぜか妻(秋吉満ちる)は原田芳雄の助けを借りて刑務所を襲撃する。脱獄後のラストも唐突すぎて…。

この映画は、徳永英明が原案・製作総指揮で参加している。いったい何をしたかったのかまったくの謎だ。若松孝二監督に当時のいきさつを聞いてみたい。

それにしても、なぜ「シンガポール・スリング」というカクテルの名前が付いているのか。謎が謎を呼ぶ。