退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『宇宙人東京に現わる』(1956)

シネマヴェーラ渋谷で「宇宙人東京に現わる」(1956年, 島耕二)を鑑賞。脚本家・小国英雄の特集企画。

宇宙人東京に現わる [DVD]

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日本初の大映によるカラー空想特撮映画。ヒトデ型の宇宙人(バイラ星人)のデザインを岡本太郎が手がけたことでも知られるが、立体造形が稚拙なのは残念。

被爆国・日本の核兵器廃絶を唱える理想と、生き残るためには核兵器を使わざると得ない現実との乖離を提示することで、現代社会の矛盾を鋭く突くといった真摯なテーマが隠れていたかはわからない。が、巨大天体が接近して都市が崩壊していくあたりの特撮シーンは一見の価値がある。

ただ、せっかくのバイラ星人は、地球の降りてくるときは人間に姿を変えるため、出番が少ないのは惜しい。バイラ星人同士が会話する際、テレパシーを用いているという設定なのか、会話内容が字幕で表示されるが、旧漢字が多く使われており時代を感じさせる。いまのゆとり世代には、字幕の字幕が必要かもしれない。

また宇宙人が帝劇の女優に変身して、地球人に接触してテニスをする場面で高々とジャンプするシーンをはっきり覚えていた。妙な場面を覚えているものだと不思議に思った。

今回、同時上映だった下町が舞台の「煙突の見える場所」(1953年)とほぼ同じ時代の作品だが、こちらはテニスを嗜むなど、家も立派で相当に裕福である。これが下町と山の手の違いだろうか。貧乏はいやだね。