週刊東洋経済の「次世代DVD狂騒の真相」という短期連載(2008年6/7号から)がおもしろい。HD DVDとBDの覇権争いの本質が浮き彫りにすることを意図した企画である。
連載第1回は、ミスターDVDこと東芝の山田尚志がフューチャされている。彼は、ことあるごとにBDの実用化には問題があり、「BDの記録メディアであるディスクが量産ペースに乗せられない」と説明していた。この連載では技術的に何が困難であったのか言及されていないが、その点はやや物足りない。この誤った情報は当時第三者で検証不可能だったのかというのが気になる。覇権争いに惨敗した後、山田は中国規格(CBHD)の策定に奔走しているらしい。これを連載では「塹壕戦」と表現しているのは辛辣である。
また最初の見開きに「こんちくしょう、こんちくしょう!」という扇情的な見出しが大きなフォントで踊っている。何のことかと読んでいくと、ソニーへの怨嗟であった。AV業界に携わる者は、少なからずこうした気持ちを持つらしい。次回以降も早く読みたいが、まだ手元に届かない。