退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

AbemaTVに囲碁番組登場:仲邑菫初段 vs 囲碁AI「GLOBIS-AQZ」

AbemaTVには将棋チャンネルはあるが、囲碁チャンネルがない。囲碁ファンとしては不満だったが、ついにAbemaTVに囲碁番組が登場した。囲碁AI「GLOBIS-AQZ」を、最年少棋士・仲邑菫初段(10歳)らと対局させる企画だ。

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正直、「AI対人間」という企画は、すでに人工知能ソフトが世界のトップ棋士を凌駕していて、すでに結論が出ていることなのであまり興味がない。関心があるのは、もっぱらAbemaTVがどのように囲碁を中継してくれるのかということ。

10日、“強化学習1日目”のGLOBIS-AQZと仲邑菫初段との対局が行われた。結果は予想通り、囲碁AI「GLOBIS-AQZ」の中押し勝ち。

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仲邑菫初段(AbemaTVから)

ただ私の興味は勝負そのものよりも囲碁番組の演出である。まず天カメ映像と見てみたい。

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囲碁番組の天カメ映像(AbemaTVから)

もう少しわかりやすくてもいいが、手番の表示があるところがいい。また今回は囲碁には珍しいフィッシャールールを採用していることもあり、チェスクロックの表示が天カメ映像にあるものわかりやすい。

基本的なことなのだが、棋戦中継のなかには手番や残り時間がひと目でわからないものが多いので、AbemaTVの中継はよくできていると感じた。

また大盤解説にも工夫があった。大盤に人工知能の候補手や読み筋を重ねて表示する機能があって、これがなかなか面白い。ちなみに、解説はスペースマンこと大橋拓文六段、聞き手は万妹こと万波奈穂四段だった。

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大盤にAIの候補手を投影する演出(AbemaTVから)

もちろん解説者は人工知能の画面が大盤上に見えるわけではないので、別画面を見ながら解説することになるのだろう。ちょっと慣れが必要かもしれないが新しい感覚の演出でわかりやすい。これの演出が通常の人間同士の対局で使うのが適当なのかわからないが、ファンとしては楽しい。

さてAbemaにも囲碁番組の下地ができた。ぜひ次は囲碁チャンネルを開設してほしいものだ。かつてはニコニコ動画の公式番組で楽しい囲碁番組があったのだが(遠い目)。

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仲邑菫初段 vs 囲碁AI「GLOBIS-AQZ」(AbemaTVから)