郊外のシネコンで映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年、監督:ギャレス・エドワーズ)を鑑賞。『スター・ウォーズ』シリーズのアンソロジー・シリーズの第一弾。
時間軸はエピソード3とエピソード4の間で『エピソード4/新たなる希望』の開始10分前までが描かれる。帝国軍の超兵器デス・スターの設計図を奪う任務を完遂した反乱同盟軍の兵士たちの活躍がメイン。
エピソード4を見たとき、なぜデス・スターのような最先端の巨大システムに致命的な欠陥があるのか腑に落ちなかったが、本作ではその理由が明らかになる。
ヒロインのジン(フェリシティ・ジョーンズ)は勇敢な女戦士だが、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のレイのようにフォースの使い手ではなく、戦闘は地味な通常の地上戦が展開される。スター・ウォーズらしくないなと思っていたら、終盤ほんの数分間だがダース・ベイダーが大暴れしてくれたのはよかった。
個人的にはイップ・マンを演じたドニー・イェンが盲目の僧を演じていたことにいちばん感激した。まさかスター・ウォーズで彼のアクションが見れるとは感無量。思い返してみると『スター・ウォーズ』シリーズにはこれまで東洋人が活躍することがなかったが、今回ドニー・イェンやチアン・ウェンが起用されたのは中国市場を考慮してのことだろうか。
Rogue One: A Star Wars Story Trailer (Official)
正直脚本はあまり感心しない。とくに前半は冗長でなかなか設計図奪取のミッションが始まらないのでイライラした。もう少しテンポよくストーリーが展開してもいいだろう。それでもラストへに向けての盛り上がりはなかなかで帳尻はあっており、きちんとエピソード4にもつながっている。
考えてみれば本編の後につくられたアンソロジーの宿命でもあるが、本作で活躍したキャラクターは本編には登場できない。つまり「皆殺し」にするしかないのだろうが、衝撃的なエンディングはとくに印象に残った。日本人にはとくに心に迫るものがあるだろう。