退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『チャッピー』(2015) / 完全な人工知能とは何だろう…

早稲田松竹で映画『チャッピー』(2015年、監督:ニール・ブロムカンプ)を鑑賞。南アフリカヨハネスブルグを舞台にしたSFアクション映画。チャッピーというのは新しい人工知能を搭載したあるロボットの名前。モーションキャプチャを使ったロボットの動きがとても自然なのがすごい

多発する凶悪犯罪に業を煮やしたヨハネスブルグ警察は、ロボット警官隊を導入して大いに成果を上げる。その開発者ディオン(デーヴ・パテール)は、さらに新しい人工知能を開発して、ロボット警官への搭載を会社に進言するが却下される。諦め切らないディオンは破棄処分となったロボット警官1体を不正に持ち出すが、途中、ギャングスタ(ニンジャとヨ=ランディ夫婦)にロボット警官とともに拉致される。ディオンは強制されてロボットに人工知能をインストールし起動されるが、未学習のロボットは赤子同然。ギャングスタはロボットを「チャッピー」と名付け、ギャングとして教育して手伝いをさせようとする。


CHAPPIE Trailer (Official HD) - In Theaters 3/6 - YouTube

いろいろ突っ込みどころが多い映画だが、ニール・ブロムカンプ作品だからまあいいかと思わせるところはある。概してよくできている。

とくにロボット間で人工知能のデータを転送できるのはまだしも、神経ヘルメットを使って人間からロボットへ「人の心」(映画ではconsciousnessと言ってたようだが)を転送するのは驚きだ。これが映画のオチになっているのだが、ハードSFの作家ならばもう少し重々しく扱われるテーマだろうにポップというか簡単なのが監督の持ち味らいい。

また ヒュー・ジャックマンがいい味を出している。自分の開発した人間の脳波コントロールで動く攻撃ロボット「ムース」の売り込みに失敗にするオーストラリア出身の元兵士役。あれほど巨大なロボットを警察ロボットとして使うの無理。もちろん採用されずにプロジェクトの予算は削減。ディオンを逆恨みしてオフィスでイジメたり、ムースを操縦して大暴れする場面はノリノリで楽しい。

ギャングスタのニンジャとヨ=ランディ夫婦の好演も特筆できる。チャッピーに対する父母性がよく表現されている。余談だが、事前に知人から妻・ヨ=ランディはかつての野沢直子に似ていると聞いていたが、見ているうちにそう思えて気になって仕方なかった。

それにしてもヨハネスブルグの治安がひどく描かれれてて心配になった。どのくらいフィクションなのか分からないが、まさに「ヒャッハー」状態。ヨハネスブルグ市当局から怒られないのだろうか。

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