退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『野球狂の詩』(1977) / 木之内みどり主演のアイドル映画

映画『野球狂の詩』(1977年、監督:加藤彰)を鑑賞。水島新司の原作漫画のうち「ズタズタ18番」から「水原勇気編」のオープン戦までを映画化。主役の水原勇気を当時の人気アイドル・木之内みどりが演じている。日活映画。

53歳の現役投手、東京メッツ岩田鉄五郎小池朝雄)は、武蔵野高校女子野球部の水原勇気木之内みどり)のサウスポーに惚れ込み、彼女にプロ野球の道に入るように説得する。女性の入団を認めないという野球協定も水原の根性に感銘を受けた大神総裁(高木均)の力添えにより改定された。いよいよ水原がメッツの一員としてプロ野球の舞台に立つことになるが……。


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アメリカ映画『がんばれ!ベアーズ』にインスパイアされて映画化が決まったというが、あちらが少年少女野球なのに対して本作はプロ野球である。それにもかかわらず、野球シーンが草野球レベルなのが最大の難点。ホンモノの野村克也が出演していて体裁を整えようとしてるが、いかんせん野球シーンだけはどうにもならない。


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それでもアイドル映画としてはなかなかのもの。いまでも、当時の人気アイドルだった木之内みどりを知っている人ならば楽しめるだろう。テレビドラマ『刑事犬カール』などで人気を博したが、いまや遠い昔……。なお本作では下着姿や入浴シーンなどのサービスショットあり。

岩田鉄五郎を演じた小池朝雄のハゲかつらなど、今見るとかなり寒いがこういう映画が堂々とまかり通っていたのはいい時代だった。映画としては見るべきものはあまりなく、木之内みどりを愛でる映画として記憶されるであろう。

また今年他界した水島新司先生がいつものように出演しているシーンにも注目したい。

余談だが『野球狂の詩』は、1985年に月曜ドラマランド枠で斉藤由貴主演によりドラマ化されている。個人的には斎藤版が世代であるが、映画とちがい映像を見るのが難しい。いずれかの機会に見てみたい。