映画『アイネクライネナハトムジーク』(2019年、監督:今泉力哉)を鑑賞。伊坂幸太郎の同名小説の映画化。主演は三浦春馬。
リサーチ会社の社員・佐藤(三浦春馬)は仙台駅前の歩道橋で街頭アンケートを募るが応じてくれる人はいない。そうしたなか就活中のフリーターの紗季(多部未華子)がアンケートに答えてくれる。駅前の大型ビジョンには、ボクシングのヘビー級タイトルマッチの実況が流れていた……。
「出会い」をモチーフにして、いくつもの愛の物語がつながって大きな話を紡ぎ出すという展開。文学なら造作もなく描ける内容であっても、映像化するには難しい類の話ではないだろうか。演出もどこか陳腐に思えた。
この作品は、主演・三浦春馬が2020年の急死したことにより注目が集まったが、三浦が出ずっぱりというわけではないので要注意。多部は可愛かったが、それを全面に押し出すような作品ではないので、どこか抑制されていて窮屈な印象を受けた。
音楽が斉藤和義ということで期待したが、本人は出演していない。駅前の歩道橋で歌うストリートミュージシャンを斎藤が演じていれば記念碑的作品になったかもしれない。