TOKYO MXで、およそ2年間にわたり放送されてきた特撮テレビドラマ「仮面ライダー」(全98話)が最終回を迎えました。「仮面ライダー」シリーズは、現在も毎年放送されていますが、本作は、本郷猛(藤岡弘)と一文字隼人(佐々木剛)が活躍するシリーズ最初の作品です。
あと2話で記念すべき100話でしたが、次番組の「仮面ライダーV3」の冒頭2話は本作の続きなので、めでたく100話達成としておきましょう。
全話見ると、途中でかなり作風が変わっていることに気が付きます。当初は怪奇ドラマ的な演出な演出が目立ち、仮面ライダー1号は地味なカラーリングでした。それがいつのまにか派手なカラーリングに変更されて、作品も怪奇路線からフツーの実写ヒーロー物になっていきます。断然、旧1号のほうがかっこいいのですが。
おっさんがいま見ると、当初の怪奇ドラマ的な演出は捨てがたいなと思いますが、当時の子どもたちにはウケなかったのでしょう。人気商売なので路線変更もやむなしですね。
各回は玉石混交の感はありますが、ノスタルジーを加味すればなかなか楽しく見ることができました。それでも前半の勢いは次第に影をひそめ、マンネリに陥ったのか終盤は冴えないなあという思いは拭えません。次番組にスタッフを取られていたのかもしれませんが……。
最終回は「ゲルショッカー全滅!首領の最後!!」というサブタイトルのとおり、ダブルライダーがブラック将軍を倒し、首領を追い詰めて基地が爆発するという想定内の展開。まあ首領が死んだのかどうかは不明ですが……。それにしても、首領の意匠はないわ。しかもめちゃくちゃ弱い。
ゲルショッカーの基地が爆発した後、FBIの滝和也(千葉治郎)が米国に帰国するのをみんなで見送って終劇です。アメリカのFBIがなぜ日本でショッカーと戦うのかという根本的な疑問はありますが、千葉治郎の身体能力の高さを見せつけるようなアクションの冴えは見どころのひとつでした。ちなみに滝を演じた千葉治郎は、先日死去した千葉真一の実弟です。
さてこの番組枠では引き続き「仮面ライダーV3」が放送されるようです。個人的には仮面ライダー以外の特撮テレビドラマが見たかったのですが……。まあ「仮面ライダーストロンガー」ぐらいまではついていけるかな。