退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「カブール陥落」で思ったこと

カブールが陥落して驚いた。

バイデン米大統領は、9月11日を期限に米軍がアフガニスタンから撤退することを表明していた。それを待たずにタリバン軍は首都カブール以外の主要都市を次々に陥落させ、カブールに迫った。15日にはタリバン軍はカーブルを包囲したと声明を発表し、市内では抵抗を受けることはなくタリバン軍はカブールを制圧した。事実上のカブール陥落である。

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これは取りも直さずアメリカの敗北である。アメリカが、ある国の特定勢力を支援してしてその国を民主化して統治するという試みはほとんど失敗している。中国の国民党にはじまり、南ベトナム、そしてキューバも同様である。とくに今回の「カブール陥落」の映像は、ベトナム戦争の「サイゴン陥落」を彷彿させる。アメリカは進歩していない。

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そして結局、それら国はことごとくアメリカの敵となっている。アメリカにとっての唯一の成功例は日本だろう。アメリカは日本を啓蒙した気になっているかもしれないが、日本は戦前から民主国家だったし、もともと民度は高かったし、まあ特殊だったのだろう。

今回感じたのは結局は自分の国は自分で守らないとダメということ。民主化されたアフガニスタンで平和ボケしていたアフガニスタン政府軍がこうもあっさりタリバンに負けたのは、明らかに実力不足。米軍に依存していているばかりで、自らの国を守ることができなかったからだ。米軍のおかげで自由を謳歌していた人たちは気の毒ではあるが、「女性の権利」とかいう寝言を唱える前にやることがあったはずだ。

まあ国防をすっかり米軍に依存している日本もエラそうことは言えない。戦後、70年以上にわたり平和だったのは誇るべきことだが、そのうち他者に「日本は平和ボケだったね」と言われないかと心配である。

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