退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

Go Toトラベル東京除外で不公平に感じた3つのこと

国内旅行の需要喚起策をめぐり、政府は東京都発着を補助対象から外すことを決めた。

昨今の首都圏での感染拡大の実態が顕著になか、「なぜいまGo Toトラベルなの?バカなの?死ぬの?」と思っていた人は多い。しかし東京を除外しても「Go To トラベル」事業をあくまでも実施するというのが政府の出した結論である。まるで「インパール作戦」かと思った。

これを聞いて都民のひとりとして3つ不公平に思ったことがあるのでメモに残しておく。

なぜ国内観光産業だけ特別扱いなのか?

まず、なぜ国内観光産業だけ需要喚起の対象になっているのがおかしい。コロナ禍のなか業績が悪化している業界は多岐にわたるはずだ。それにもかかわらず国内観光だけに税金を投入していいものだろうか。不公平ではないか。

コロナ禍による経済的な影響は広範囲にわたる。そういう場合は、まずドイツやイギリスのように消費税減税を考えるべきだろう。まず国民の納税負担を減らして余裕が出てきたあとは、観光に消費したいかどうかは消費者が決めればいい。

コロナと長くつきあっていくことを考えれば、この段階で消費者に選ばれなければ観光産業が衰退していもやむを得ないだろう。消費性向を含めて日本は「新しい生活」を模索するに時期に来ている。

首都圏除外ならば1都3県じゃないの?

東京だけ除外と聞いておかしいと思ったのは、なぜ「1都3県」が対象外にならないのかということ。

オフィスを見渡しても、1都3県から出勤している人が混じっている。同じオフィスで働いているのに、キャンペーンの対象になったり対象外になったりして不公平極まりない。職場や学校などのグループで旅行しようと計画していて、メンバーの一部だけ対象外だとすればどうするのだろうか。あまりにデタラメすぎる。

不公平という以前に、これではコロナ感染拡大防止の効果もあやしい。「1都3県」は同一の経済圏・生活圏であり都道の境界はウィルスの前では意味を持たない。東京だけ狙い撃ちというののは科学的に妥当性があるのか疑問である。

都民だけ税金の払い損になるのでは?

税金を投入してキャンペーン事業をやるのに、都民だけがその恩恵に浴せないのも納税者として不公平に感じる。

都民はキャンペーン予算の原資を納税したにもかかわらず、他の道府県の連中が格安で旅行を楽しんでいるのを横目に、自腹で全額負担することを強いられたり、予算の都合で旅行そのものを断念することになる。ひどい話だ。

せめて事業予算のなからから都民が納税した分は、都民に還元してほしい。東京都のコロナ対策に充当してもいいだろう。もっと言えば、現金で都民ひとりひとりにその分を特別給付してほしいぐらいである。

まとめ

税金をざっくり集めて、特定の産業にばらまくという古い構造が気に入らない。昭和かよと思う。今回の「Go To トラベル」事業は、その最たる例である。政治家とそのお友達が利権でウハウハできる以外に何のメリットもない。誰が利権でウマウマしているのか、文春砲ですっぱ抜いてほしいものだ。叩けばホコリが出るだろう。

前述したように需要を喚起するならばわかりやすく減税すればいい。そして消費者が選択しない産業は滅びればいい。しかし財務省は絶対に減税しないだろうから、まったく期待できない。政権交代で昭和の利権構造から脱するしかないが、これまた望みがうすい。やれやれ。

Shinjyuku