ふと上田知華の「パープル・モンスーン」を聞きたくなって、上田知華+KARYOBINのベスト・アルバムを聞いてみた。いまはなき三洋電機のCMソングだった。
「パープル・モンスーン」に満足したあと、アルバムの他の曲を聞いていたら、倉田まり子に提供された「さよならレイニー・ステーション」(1980)のセルフカバーが収録されていて驚いた。リーフレットによれば、この曲が他のアーティストへの最初の提供曲(作詞は門谷憲二)だったという。
倉田まり子の滔々とドラマチックに歌い上げるアイドル歌唱とは対照的に、弦楽四重奏の伴奏に教科書的な歌唱で新鮮だ。さすがに音大出身というところか。元々は仮歌だったのかも。たしか、ふたりでテレビでコラボしたこともあった。
上田知華+KARYOBINという音楽ユニットは、上田のピアノ、ボーカルに、弦楽四重奏団を組み合わせたピアノクインテッドで、一度生演奏を聞いてみかったバンドだった。
一方の倉田まり子は、当時アイドルのなかでは卓越した歌唱力と美脚で人気を博した。トップアイドルとは言えなかったが、私のお気に入りのアイドルだった。
私にとってはずいぶんとお姉さんだったが、その後スキャンダルに巻き込まれて芸能界から姿を消したのはショックだった。子どもだった私には当時何が起こったのかよくわからなかったが、後になって大人ってひどいなと思ったものだ。