退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『未知との遭遇』(1977=2002) / スティーブン・スピルバーグ監督による映画史上に残る傑作

新文芸坐の《魅惑のシネマ・クラシックス Vol.33》という企画で、映画『未知との遭遇』(1977年、監督・脚本:スティーブン・スピルバーグ)を鑑賞。いろいろ版がなか今回みたのは〈ファイナル・カット版〉。「未知との遭遇」という邦題を考えた人はエライとあらためておもった。

巨匠スティーブン・スピルバーグ監督の未確認物体体験映画の古典的傑作。スピルバーグ監督のフィルモグラフィーだけでなく、映画史上にも重要なマスターピース。原題は、Close Encounters of the Third Kindで、「第三種接近遭遇」という意味だが未確認飛行物体との搭乗員とのコンタクトまでに至るものを指す。


CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND - Official Trailer

いまさら何もいうことにない作品だが、電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)が超常現象に遭遇する導入部から惹き込まれる。冒頭から傑作のオーラが出まくっている。人間ドラマは正直退屈に思えたが、ロイが何かに取り憑かれたようにデビルスタワーの模型をつくり出すあたりからがぜん盛り上がってくる。

そしてラスト20分ぐらいの遭遇シーンには誰しもが圧倒されるだろう。重低音を響かせなから出演する母艦、そして人類との「シンセ対決」は映画史上に残る名シーン。

今回ラストの重低音を映画館の音響設備で体験できたのはよかった。これが映画館で映画を見る醍醐味だ。映像面でも、併映の『バンデットQ』がイマイチしょぼかったのにだったに対し、さすがスピルバーグ監督の代表作である本作は、しっかりDCP化されて鮮明な映像を堪能できた。一度は映画館で見ておく作品であろう。

f:id:goldensnail:20190916231426j:plain:w420