タイトルにある「京大卒雀士」というコピーと、帯の筆者の写真に惹かれて手に取る。京都大学法学部まで出てプロ雀士とは反社会的ではないか。どうせチャラい本だろうと思いながら読み始める。
京大卒雀士「戦わない」受験勉強法 一流大学に合格するために必要なたった5つのこと
- 作者:松嶋 桃
- 発売日: 2017/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
いたって真面目な本だった。受験生にとっては、センター試験そして京大2次試験の細かい受験テクニックは参考になるだろう。
が、おっさんが驚いたのは、筆者が高校生の時点で、後々の選択肢が広がりそうな、つまり「ツブシ」が効きそうな、一流大学に合格しようという発想を持っていたこと。
まあ京大法やら法曹、エリート会社員などなど、たしかにツブシは効きそうだけど、本当にそこを目指して努力できるのはすごい。で、最後に選択したのが「プロ雀士」かよというツッコミはありそうだけど。
ちょっと不思議だったのは、各教科を麻雀の役に喩えている第5章。「お、おう」という感じで読んだが、ネタとしては楽しい。受験生が麻雀の役を知っているのかなという疑問はあるが……。
あと「私のまーじゃん放浪記」というコラムで紹介されていた、京大時代のエピソードが面白かった。もっとネタがあるのなら別途、本一冊にまとめてほしいくらい。
最後にタイトルにある「5つのこと」をメモ代わりに列挙しておく。
- ゴールを見失わない
- どんなときも基本を大切にする
- 人に頼る
- 運とツキを制する
- 「楽しい」を忘れない
詳しくは本書を読んでもらうしかないが、これも受験生だったころの自分に教えてあげない内容である。
忙しい受験生は、あとがきだけでも立ち読みするといいことがあるかもしれません。いい本です。