東京国立博物館で開催中の特別展「ほほえみの御仏 −二つの半跏思惟像−」を見てきました。
踏み下げた左足の膝に右足を組み、右手を頬に添える謎のポーズをとる半跏思惟像(はんかしゆいぞう)は、日本と朝鮮半島では6〜8世紀に多く造られました。そのなかから日韓両国の国宝2体を展示する特別展で、日韓国交正常化50周年を記念したプロジェクトでもあります。
一体は奈良・中宮寺の本尊、もう一体は韓国国立中央博物館の「国宝78号」と呼ばれる像です。展示室では向かい合わせに展示されていました。韓国では国宝に番号を付けて呼ぶところが面白いですね。
「国宝78号」は6世紀後半の作と推定されている銅による鋳造です。出かける前に写真で見た時は頭が大きすぎてバランスが悪いなと思いましたが、実物を見ると体の線が流麗で可愛らしい。なんとなく子どものようにも見えます。金属特有の光沢がやや暗い室内に映えていました。
一方の中宮寺本尊は「国宝78号」より一回り大きく、飛鳥時代(7世紀)に造られたと考えられています。こちらはお馴染みですね。この仏像は木製(クスノキ)で漆による黒い光沢が全体を覆います。こちらは大人のエロスでしょうか。
特別展の展示はこの2体の仏像だけです。せっかく上野まで来たのに物足りないと思わなくもありませんが、追加料金なしで常設展示も拝観できます。せっかくなので常設展示を観る時間をとって出かけるをオススメします。