退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】松谷信司『キリスト教のリアル 』(ポプラ新書、2016年)

この本によれば、日本のクリスチャンは実質「人口比0.8パーセント」ということ。意外に多いと思いましたが、カミングアウトでもしていない限り、クリスチャンがどうか外見から分かららないので、実際はもっとお会いしているのかもしれません。

(081)キリスト教のリアル (ポプラ新書)

(081)キリスト教のリアル (ポプラ新書)

本書はクリスチャンや牧師・神父の現状を赤裸々に書いた一冊。メインは、紙幅の3分の2ほどを占める3人の牧師と1人の司祭で行われた座談会です。ぶっちゃけすぎ。牧師や神父はなるのが大変なわりにはあまり実入りの良い職業ではなく大変そうですが、宗派によっても随分ちがうようです。

座談会を盛り上げるためか参加者がロックを演奏する牧師や、ジャニーズファンの女性牧師などとてもユニークなのも特徴です。座談会の様子は面白く読めましたが、近所の教会に行ってもこうした尖った人たちに会えるわけではないでしょう。

座談会のほかには、「クリスチャンあるある」「牧師・神父あるある」などを交えてキリスト教を紹介する第1部もためになりました。そのなかで、最近盛り上がり見せている「イースター」に続いて「ペンテコステ」が盛り上がることを期待している、とあったので心に留めておきたい。さてどうなることやら。

また本書で島田裕巳の論考「キリスト教が日本で広まらなかった理由」を紹介していたので一度あたってみようと思いました。これに関連して言えば、今後の布教の方向性についてあまり建設的な施策が見られないことが気になりました。クリスチャンの高齢化が進んで将来ヤバイのではと他人事ながら心配になりますが、囲碁などの他の分野でも同じことが起きているのでキリスト教だけの問題ではないのかもしれません。

最後にタイトルは「日本の」を付け足して「日本のキリスト教のリアル」とするべきでしょう。海外との比較で日本のキリスト教の特徴があるとすれば、それも紹介してほしかった。

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