退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

パリ連続テロ事件で思ったこと

パリで日本時間の14日早朝、コンサートホール、サッカースタジアム、レストランなどで、銃を乱射したり爆発物を爆発させたりする事件があり、合計120人以上が死亡しました。殺害された無辜の市民の冥福を祈りたいと思います。

その後、「イスラム国」(IS)からこの事件の犯行声明が出され、ISによる同時テロの可能性が高まっています。

それでもこの事件は必然だと思わざるを得ません。つまりフランスがシリアに軍事介入し空爆を繰り返してきた結果とは言えないでしょうか。フランスのオランド大統領は「前例のないテロだ」「これは軍事行動」などと言っていますが、それならシリアの空爆は許されるのかという疑問です。

それぞれに言い分はあるにしろ、ISとシリアに軍事介入している欧米諸国が戦争状態だとすれば、戦場では爆撃機を撃墜する能力がなくても敵対国に一撃を加えたいと思うのは必然で、今回のような連続テロは十分考えられるオプションです。フランスもバカではないから当然テロ対策をしていたでしょうが、それでも防げなかったというのが現実です。

そもそも一方的に空爆しておきながら、フランス人たちは安全な本国でコンサートとか、サッカー観戦とか、レストランでの食事だといって週末を楽しんでいる構図に対して、ISが「ふざけるな!」と思っても仕方ないでしょう。今回でわかったことは、もはや安全な場所などないということです。

また歴史的経緯をみても中東紛争の原因は、第一次世界大戦あたりのイギリスの三枚舌外交の代表される英仏のエゴによるところが大きい。まずEUとして責任をとれといいたいが、いまだに空爆を続けて混乱に拍車をかけているのです。

最近では中東の混乱により難民が欧州に大量に流入して社会問題になっていますが、いわば欧州の自業自得というべき問題です。ざまあみろというと言い過ぎですが、これこそ自己責任よろしくと言いたくなります。

翻って日本はさいわいにして少し中東問題には少し引いた位置にいます。関わらないほうが無難でしょう。あまりにも問題が複雑すぎるからです。心配なのは、現在G20に外遊している安倍首相が軽口を叩いてISを刺激するのではないかということ。時期が時期だけに発言に慎重にお願いします。

最後にアマゾンのトップページが、フランス国旗と「連帯」(英:solidarity)になっているのを見つけました。フランスと連帯してシリアと空爆しましょうてことですかね。だが断る。日本は中東問題には関わらず静観するべきです。

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