退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ゴーン・ガール』(2014) / 夫婦関係を題材した高い完成度のミステリー映画+α

新文芸坐で映画『ゴーン・ガール』(2014年、監督:デヴィッド・フィンチャー)を鑑賞。封切り時に見逃していたがようやく見ることができた。ギリアン・フリンによる同名小説が原作で、フリンが脚本を担当してる。脚本、撮影、演技など、どれを取っても高いレベルの完成度を誇る究極のエンターテイメント映画。ハリウッドが本気だすとやはりスゴイ。映画好きも納得できる一品。

ある夫婦の話。妻・エイミー(ロザムンド・パイク)が突如失踪する。警察による捜査とメディアによる報道により、善き夫と思われていたニック(ベン・アフレック)のイメージが次第に失墜していく。さまざまな情況証拠から「夫が妻を殺害したのではないか」という疑念が強まっていく。予告編ではこのあたりまでです。

しかし単なる謎解きのミステリーではないのが、この映画の深いところ。妻の失踪の原因は映画の前半であっさり明らかにされる。実はエイミーは生きていて、殺されてたと思わせたのは夫への復習のための狂言。彼女はニックが妻殺しの罪で死刑になるのを待っていたのだ。

そして映画の後半では、状況はジェットコースターのように二転三転するが、結局、この夫婦は人生をともに歩くことになる。エイミーがめっちゃ怖いです。女性恐怖症になっちゃう。

映画を見終わって感じたことだが、この映画はヒッチコックの映画のようだった。。シネフィルたちは「この場面がこの映画のオマージュだ」という話をしているのだろうか。もちろん映像技術は格段に進歩しているし、メディアが圧力を加えてくるなど現代性はあるが、映画の本筋は古典的である。ヒッチコックが現代に蘇って映画撮ったら本作のような作品を残すのかもしれない。

それにしても、失業してニューヨークからミズリーに帰ってきたのに、スゴい家に住んでいて驚いた。アメリカすごいな。


Gone Girl | Official Trailer [HD] | 20th Century FOX ...