退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

辺野古移設についての疑問点、そして白黒を付けるには

4月17日、安倍晋三総理は、総理大臣官邸で沖縄県の翁長雄志知事と初めて会談した。しかし辺野古移設をめぐり、首相「唯一の解決策」、沖縄県知事「理不尽」と互いの主張は交わることがなくまったくの平行線に終わった。予想どおりの結果だ。

以下に辺野古移設について疑問に思うことをまとめみる。

日本側に移設を取りやめる選択肢はあるのか?

移設計画の経緯を調べてみると、普天間飛行場の危険性に鑑み、日本から米国にお願いしたものあり、20年前(1996年/橋本政権)に外交的に決着していることである。にもかかわらず、いまだに実現していない。

そもそも外交上の合意を、沖縄が「ノー」だと言ってるからと言って覆すことが許されるのだろうか。そうしたことがまかり通れば、日本は外交上の信用を失うことになり、国益を損なうことにもなりかねない。

それでも米国が文句を言わないのは、普天間飛行場がそのまま使えるからであろう。しかし、万が一にもヘリが基地周辺の住宅地に墜落するような事故が起きて、県民が犠牲になる事態が起きたら一巻の終わりである。日米安保体制が揺らぐおそれすらある。

沖縄はつかみ金は返上するのか?

仲井真弘多沖縄県知事は、基地賛成と引き換えに、沖縄振興予算(2兆4000億=3000億円x8年間)の名目で、中央政府から巨額の「つかみ金」を巻き上げた

沖縄有史以来のすごいお金だと大喜びして、仲井真知事は記者たちを前に「いい正月になるよ」と言ったことは記憶に新しい。しかし、その仲井真氏は知事選では基地反対に回ったのだからワケがわからない。さすがに県民もバカじゃないのだろう。仲井真氏は知事選で落選した。

代わりに基地移設反対を唱えた翁長雄志が新知事になったのだが、この「つかみ金」はどうなるのだろう。基地賛成とバーターで得た予算なのだから、移設に反対する以上はつかみ金は返上するの筋だ。「お金はもらうけど基地はいやっ」は通用しない。つかみ金の行方はどうなるのだろう?

沖縄はどうしたいのか?

歴史的経緯を考えれば沖縄の人たちが米軍基地にいい感情を持っていないのは当然かもしれないが、具体的にどうしたいのだろうか。

  • 基地が日本にあるのがいやなのか?
  • 基地が沖縄にあるのがいやで本土に行けばいいのか?
  • それとも辺野古移設がいやなのか?

そもそもどうしたいのか分からない。上記のいずれだろうか。いずれを選んでも重大な結果を生じることは想像に難くない。結果に責任を持たない人が「いやだいやだ」という愚かさが表れているように思う。

中央政府はどうすればいいのか?

それでは中央政府はどうすればいいのだろう。沖縄県民の感情は尊重しなければならないが、約束を守らないのにカネだけ渡す必要はない。上記の総額2兆4000億円の「つかみ金」は即座にストップ!これに加えて、行政裁量でカットできる沖縄への補助金もすべて凍結すればいい。

さらに沖縄振興予算としていままでどれほど巨額な予算が投じられてきたのかをまとめて、全国紙に政府広報を出すのもよいだろう。沖縄のために本土がどれだけカネを出していたかをはっきりさせた上で補助金をカットするのが効果的だ。

そうすれば、沖縄県民のなかには日本から分離独立すると吹きあがる人もでるだろう。そうしたら法整備したうえで住民投票して白黒はっきりさせればいい

これは、昨年のスコットランドのように独立を問う住民投票である。沖縄が日本から分離独立するから、それとも日本に残留するかを県民に問うものである。これで黒白がつけばスッキリするだろう。

もちろん「基地反対だけど日本には残りたい」というのは許されない。外交・安全保障は中央政府の専権事項なので従ってもらう。

いまの政権にはそれぐらいの冷徹な対応が求められている。

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