中学で地方自治について習ったとき、首長の解職請求(リコール)できる条件を丸暗記させられたのを覚えている人も多いのではないか。
首長の解職を求めるには、有権者の3分の1以上の著名を集めれれて選挙管理委員会に請求することができる。この「有権者の3分の1」を覚えたが、厳密には間違っている。人口が多い自治体の場合は条件が緩くなる。条件は若干ややこしいのだが、次のとおり(地方自治法第81条第1項)。
- 40万を超えるときは、40万を超える数の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上
- 80万を超えるときは、80万を超える数の8分の1と40万の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上
念のため付け加えると、直接請求が成立するとすぐに解職されるのではなく、解職を問う解職投票が行われ、有効投票総数の過半数が賛成すれば、その首長は失職する。もちろん解職請求が成立した後、解職投票を待たずに辞職すれば出直し選挙になる。ちなみに選挙から1年間は解職請求をすることができない。
したがって東京都でリコールが成立するのに必要な署名数は、300万余りと思いきや、およそ145万とのこと。詳しくは下記の記事を参照してほしい。
今週、都知事就任から1年経過した舛添要一東京都知事の解職請求が解禁された。これを受けて舛添知事の「都知事外交」に不満を持つ人たちを中心に解職請求運動が一部で始まっている。
しかし、これまでに都道府県知事のリコールが成立したことは一度もなく、かなりハードルが高い。舛添知事について言えば、重大な失策があったわけでもないし、後任者を含めた対立軸もはっきりしない。
このような状況なので、都知事のリコールが成立する可能性は極めて低いようだ。それでも一度大規模なリコールが成立するのを見てみたいものだ。
【関連記事】