退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『太陽を盗んだ男』のサントラ盤を聞いてみた

先日、飯田橋で見た映画『太陽を盗んだ男』(1979年、長谷川和彦)がよかったので、サントラ盤を聞いてみました。基本的に作曲はすべて井上堯之が担当し、編曲を井上と星勝が半分づつ分け合っています。

太陽を盗んだ男 ― オリジナル・サウンドトラック

太陽を盗んだ男 ― オリジナル・サウンドトラック

このCDは映画公開時に発売されたLPを復刻したものですが、残念ながら完全版ではありません。

というのは、当時はソフトパッケージが普及しておらず、台詞入りのサントラ盤が一般的でしたが、今日ではCDに台詞入りの楽曲を収録すると別の権利上の問題が発生するため台詞を割愛したからです。そうした大人の事情のため、映画で使用された楽曲のいくつかは収録されていません。

当然、「台詞をミックスする前に音源はなかったの?」という疑問がありますが、音源素材を探したものの見つからなかった旨がリーフレットに記載があります。当時の日本映画の余裕のなさが透けてみえますが仕方ありません。そうした事情なので、将来も完全版が出ることも期待できそうにありません。残念ですね。

その代わりというわけではないでしょうが、映画のなかでゼロが(池上季実子)がDJをしていた番組「ゼロのブタブタジョッキー」内で流れていた楽曲が4曲ボーナストラックとして収録されています。そのなかのの「私は風」(カルメン・マキ&OZ)は今聞いてもかっこいいです。

完全版ではないものの、完成度の高い名曲ぞろいです。曲を聞いて映画の場面を想像できるあなたは、ぜひ手元に置いておきたい一枚でしょう。

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