18日に行われたスコットランドの独立を問う住民投票で独立は否決された。この結果、スコットランドの独立は回避され、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)が維持されることになった。
詳細は下記のサイトを参照してほしいが、概ね55対45の割合で独立反対派が賛成派を上回った。投票率は84.59%と高く関心の大きさがうかがえる。キャメロン首相は胸をなでおろしだろう。
イギリスの人の心情は別にして無責任な野次馬としては、大英帝国の崩壊という「歴史的転換点」を見流すことになって残念だ。
スコットランドがイングランドに事実上併合されたのが1707年だから、日本では元禄時代である。その後、産業革命を達成し、ナポレオン戦争後は七つの海の覇権を握り、広大な植民地を経営して繁栄を極める。
そうしたかつての大国は凋落したとはいえ、第二次世界大戦以後も国際連合の安全保障委員会の常任理事国として、国際社会に一定の地位を占めてきた。そのイギリスが崩壊していくという一大イベントに立ち会うことができる可能性があったのだ。
もし今回の住民投票でスコットランドの独立が決まっていたら、いろいろ面白いものが見れたはずだ。例えば、経済問題、通貨問題、安全保障、EU加盟の可否などだが、どれを取っても興味深い。それがインターネット時代に、しかも英語圏で起こるのだから考えるだけでワクワクする。
スコットランドが独立すれば、ウェールズや北アイルランドも追随する可能性は大きい。そうなると安保理の常任理事国に留まることも難しくなり、国連改革も進み第二次世界大戦以後の国際秩序の再構築につながるといった予測もできる。
しかし、そうした夢想はこの投票結果で打ち砕かれた。住民投票を行うことになった合意では、今回のような独立を問う住民投票は一回だけ(たしか、for lifeで一度とあった)らしいので、少なくても世代が変わるほどの年月が流れないと再度実施されることはないだろう。20年もしくは30年といったタイムスケールだろうか。いかにも残念である。